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アルマナッコとは、イタリア語で「歳時記」のこと。

キリスト教行事、季節の旬、料理、菓子、花、ハーブ、畑、季節の行事、etc...

イタリアの季節を感じられるコト、モノ、フウケイを、物語と、季節のレシピと一緒にお届けします。

私と歳時記との出会い、そしてこのサイトについて

イタリアに住み始めて17年と半年が経ちます。

日本では東京に暮らし、自然や季節とはあまり深く接してこなかった私が、いま、このシチリア島で歳時記のサイトを立ち上げようとは、イタリアに来る前には思ってもみませんでした。


イタリアで最初に出会った季節の歳時記は「トマトソース作り」でした。

シチリアに住み始めて少し経った頃。

ひょんなことから出会ったシチリアンファミリーから


「来週、トマトソース作りするけど見に来る?」


と、私が郷土料理を勉強しに来ていると、知ったファミリーからお声がかかりました。

二つ返事で「いく!」と返事をし、当日、わくわくしながら行ってみると、、、。

そこに待ち受けていたのは300kg以上あるというトマトの山!

それに加えて直径1mはあろうかという大型の鍋とドラム缶、藁、壊れた洗濯機のモーターを再利用したというトマト濾し器、コーラやビールなどのおびただしい数の空き瓶、そして薪、、、。

想像以上の大がかりな装置にびっくり!

しかもトマトは全て、ファミリーのパパが自分の畑で育てた自家製。

トマトソース作りは数日前からマンマとパパが準備して、当日になると息子や娘が集まってきて、家族総出で1日かけて行われました。

最後は瓶に詰めてしっかり栓をした瓶を、ドラム缶の中に藁を緩衝材として隙間を詰めながらしっかりと並べ、ホースで水を満たし、薪に火をつけて燃やして水を沸騰させ、煮沸消毒すること2時間。

翌朝、冷めたら出来上がり。

終わるころにはすっかり日も暮れ暗くなっていて。

トマトソース作りの最後はドラム缶の下の薪をちょっと取って、網で挟んだぐるぐる巻きの巨大サルシッチャ(生ソーセージ)を焼いて、皆で乾杯!

聞いてみれば、これを夏のシーズンの間に数回繰り返すとのこと、、、すごい!

なんとも壮大な風景に面喰いつつも、非常に興奮した1日だったことを今でも鮮明に覚えています。

これがイタリアでの暮らしの歳時記との出会いでした。

すごく楽しそうにしていた私を見てか、その後もファミリーからはことあるごとにお声がかかるようになり。

パパの畑仕事、マンマの季節の保存食、聖人の日のお祝いのためのお菓子、オリーブの収穫、そしてクリスマスや復活祭のお祝いの食卓、様々な暮らしの歳時記にお誘いいただくようになり。

日常生活の中に溶け込んでいる沢山の季節の歳時記や風物詩を教えてもらいながら一緒に過ごし、


「自然と寄り添って、季節の流れと共に生活する」


という貴重な体験をさせていただきました。

ちょうど1年が経った頃、イタリアでの料理を勉強するためのビザが切れ、日本に帰国するか、イタリアに残るか迷っていた時、イタリアに残ろう!と思った決め手は、


「季節の歳時記をもっと体験したかったから」


イタリアには暦や季節をベースとした歳時記と、キリスト教のお祝い事や行事をベースにした歳時記、そこに食文化が密接に絡んで、1年を通してたくさんの歳時記があります。

それを最初の1年で知ることは到底無理で。

もっともっと知りたい!体験したい!という私の好奇心がイタリアに残ろうと決めた大きな理由でした。


その後、シチリアで仕事を始め、幸い始めた仕事が軌道に乗り、忙しくあわただしい毎日を過ごすこととなるのですが、そんな中で、季節を感じさせてれたのは、パパやマンマから学んだ「暮らしの歳時記」でした。

どんなに忙しくても、歳時記のおかげで、今年もこの季節がやってきたなー、と感じ、1年の時の流れにメリハリをつけてくれたのでした。


そして更に時は流れ、2020年。

この年、新型コロナウィルスの登場で、私達の生活は突然一変し。

厳しい外出規制や移動の禁止などなど、たくさんの規制の中で生活することを余儀なくされることとなりました。

旅行、外食、友達とのおしゃべり、、、今まで普通にできていた楽しみがなくなり、毎日流れてくるのは暗いニュースばかり。

そんな中で、私の日常生活に彩りを与えてくれたのは、やはり「歳時記」でした。

季節の移り変わりを感じ、旬の食材を楽しむ、季節の歳時記に沿っての生活は、私に「小さな幸福感」をもたらしてくれ。

歳時記に沿って暮らすことは、体を健康に保ち、心を満たしてくれるのだな〜、と改めて感じたのでありました。


歳時記とは、辞書を調べてみると、


「 1年のおりおりの自然・人事などを記した書物。歳事記。」


とあります。

このサイトでは、1年の暦、自然、季節の移り変わり、農業の季節の仕事、旬の食材と郷土料理、宗教的な意味を持つ行事やお祝い事、などなど、暮らしの中に溶け込む1年の年中行事や風物詩を、私が住むシチリアを中心に、イタリア全土にも目を向けて

「イタリア暮らしの歳時記」

を記録していきたいと思います。


更新は頻繁にできるときもあれば、少し間が開くこともあると思います。

これからの人生のライフワークなので、宝箱に少しずつ宝石を詰めるように綴っていきたいと。

そして10年後、20年後にはたっくさんの宝石で宝箱がキラキラと光っていますように。


そしてこのサイトを通じて、あなたの日常生活にもちょっとした彩りと幸福が添えられたら、嬉しいです。


2022年2月

REIKO SATO


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Profilo

REIKO SATO

料理人・イタリア菓子研究家・イタリア歳時記研究家・オリーブ農家

2004年よりイタリア・シチリア島に暮らす。

イタリアの日常に自然に溶け込み、生活に根付いている季節の行事に共感し、

もっとみたい、体験したい、とイタリアに住み続けて気が付けば15年以上。

「季節を感じる日常生活」を心がけて、自然と共に暮らしています。

同居人はイタリア人(シチリア人)のオット&2匹のニャンズ。

日本ではイタリアンレストランをはじめとした飲食店で料理人・菓子職人。

食文化を学びに来たイタリアでは料理教室、食を中心とした旅のコーディネーターをしています。

年に数回、日本でもイベントを開催。

●シチリア美食の旅をコーディネート La Tavola Siciliana : http://www.tavola-siciliana.com/


<著書>

イタリアで一番おいしい家庭料理 シチリアのおうちレシピ(講談社)

シチリアの伝統菓子とマンマの手作り菓子(誠文堂新光社)

イタリア菓子図鑑(誠文堂新光社)


<Instagram>

@rei_trapani

@mare_timo (ニャンズ)


<FB>

https://www.facebook.com/tavola.siciliana/


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