【レシピ】冬の旬!ブロッコリーという名のカリフラワー 〜 ブロッコロのパスタ パレルモ風
シチリアの冬の旬の王様、とも言っていいほど、冬の農民市場を賑わす黄緑の頭ほど大きな物体、それがカリフラワー。
シチリア弁では「ブロッコロ」と呼ばれますが、その実態は「カリフラワー」。
色は黄緑が主流ですが、白、紫、最近ではオレンジも時折見かけます。
カリフラワーの旬は冬から春
おそらく日本では1年中、大きなスーパーやデパ地下で見かけることがあると思われるカリフラワーですが、本当の旬は冬から春にかけて。
シチリアでは11月から3月頃にかけてまでの季節限定で、市場や八百屋に並びます。
原産は地中海沿岸、お父さんは野生種のケール
カリフラワーは東地中海沿岸が原産で、その起源は野生種のケール。
イタリア語ではCavolofiori(カーヴォロフィオーリ)、Cavolo=カーヴォロ=キャベツ、Fiori=フィオーリ=花、つまりキャベツの花、という意味のカリフラワーですが、このカーヴォロは実はケールのこと。
ということは、「ケールの花」がカリフラワーの語源だった、というわけです。
そしてカリフラワーは野生種のケールの突然変異でできたブロッコリーの変異主と言われて、同じくケールから変異したキャベツも親戚関係にあります。
●ケールの葉が結球したもの → キャベツ
●ケールの根が発達し食べるようになったもの → コールラビ、
●ケールの花の部分を食べるようになったもの → ブロッコリー、及び、カリフラワー
こんな風に変異してきたと言われています。
すべては「Brassica oleracea=ケール=ヤセイカンラ」を原種としたアブラナ科の植物というわけです。
ヨーロッパに伝えたのはアラブ人?
イタリアではカリフラワーというと、シチリアというイメージが強いのですが、なんでだろう?と思って調べてみたら、
カリフラワーはローマ帝国の衰退後にアラブ人の手によってヨーロッパに伝えられた、
という説を発見。
なるほど、、、ローマ帝国衰退後にアラブ人が侵略した土地と言えば、シチリア。
その時、シチリアにはアラブ人によって多くの食物や栽培技術が持ち込まれました。
カリフラワーもその1つだったのかもしれませんね。
ちなみにローマ人は既にブロッコリーのようなものを食べていた、という説もあるようですが、地中海沿岸で色々な説があり、もはや確かなことはわかりません。
でも、シチリアにはたくさんのカリフラワーのレシピが残っていることを考えると、アラブ人がシチリアに持ち込み、それがイタリア、フランス全体に広がっていった、という説が有力かも?
ブロッコロのパスタはパレルモ生まれ?
先にも書きましたが、シチリアではカリフラワーのことを「ブロッコロ」と呼びます。
シチリアに来た頃はかなり惑わされたこのブロッコロ、、、ちなみに日本でいうところのブロッコリーは「ブロッコレッティ(小さなブロッコリー)」と呼ばれていています。
さて、シチリアの冬の伝統パスタの代表格ブロッコリーのパスタといえば「Pasta con broccoli arriminati=パスタ コン ブロッコリ アッリミナーティ」。
「アッリミナーティ」はシチリア弁で「かき混ぜた」という意味。
つまり、クリーム状になるくらいまでぐるぐるとかき混ぜて作ったパスタソース、ということです。
このパスタ、シチリア全土で色々なレシピがありますが、その発祥はシチリアの州都、パレルモだった、と言われていて、同じく発祥がパレルモとされている「イワシのパスタ」の農民バージョンだった、と。
材料を見てみると、イワシのパスタに欠かせない干しブドウ、松の実も入っているし、サフランが入るレシピが多く伝わっているのも、イワシのパスタの農民バージョンだったのではと連想させます。
そしてこのパスタに欠かせないのが「カリカリパン粉」。
パン粉をフライパンにオリーブオイルと共に軽く炒ったもので、かつてパンが貴重だった時代、余ったパンの再利用方法として生まれたこのカリカリパン粉。
「貧乏人のパルミジャーノ」なんてよく言われますが、そのカリカリした食感と香ばしさは病みつきになるほど美味しい!
このパスタ、日本語に直訳すると「ぐるぐるかき混ぜたカリフラワーのパスタ」という意味。
これは、「混ぜれば混ぜるほどカリフラワーがクリーム状になって美味しい一皿になる」という調理方法のヒントが、名前にまでなった、という、いかにも美食の島シチリアらしいネーミングですね!
シチリアではこのパスタが作られるのは甘〜くホクホクしたカリフラワーが味わえる冬から春にかけての旬の季節のみ。
色々なレシピがありますが、今日はパレルモ伝統のレシピをご紹介します!
Pasta con broccoli arriminati 〜 ブロッコロのパスタ パレルモ風
<材料 2人分>
パスタ 160g
カリフラワー 400g
干しブドウ 15g
松の実 15g
サフラン 少々
玉ねぎ 1/4個
アンチョビ 1〜2枚
オリーブオイル 適量
塩/胡椒 適量
細挽きパン粉 適量
<作り方>
カリフラワーは房にとって塩水で柔らかくなるまで茹でます。
玉ねぎを粗みじん切りにしてオリーブオイルをいれたフライパンで弱火で炒め、アンチョビを加えてオイルの中で溶かしたら、水で戻して絞った干しブドウ、松の実、茹でたカリフラワーを入れ全体を炒めます。
パスタ湯を少量とりサフランを溶かして加え、かき混ぜながらクリーム状になるまで中火で煮ます。
別のフライパンに細挽パン粉とオリーブオイルをいれ、かき混ぜながらカリカリになるまで炒めます。
カリフラワーのゆで汁でパスタを茹であげたら、カリフラワーのソースを絡めお皿に盛って、カリカリパン粉をお好きなだけかけて召し上がれ!
Buon appetito!
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