春の野草@2月 in シチリア
シチリアは2月になると春の野草が採れはじめます。
私が通う農民市場はファーマーズマーケット、、、というオシャレな感じではなく、「農民市場」という呼び方がピッタリ。
そこに毎回、野で摘んできた野草を並べているオジサンがいるのです。
「自然は季節によって姿を変えていくけれど、野草は1年中あるんだよ」
いうオジサン。
その中でも春は野草の宝庫!
ということで、今月の野草を紹介します。
(左)Cicoria Servatica チコ―リア・セルヴァティカ
野生のチコリ。キク科、地中海沿岸原産イタリア全土に生息している。花は紫色。
若い葉は生でサラダに。その他、茹で野菜、スープに、秋に収穫される根は焼いてから完全に乾かし、挽いてコーヒーの代用品、またはコーヒーの粉に加えて使われていました。
(中)Crespigno クレスピーニョ
ノゲシ。キク科、ヨーロッパ原産。たんぽぽの親戚で、たんぽぽに似たような黄色い花が咲きます。Cascigne(カッシーニェ)とも呼ばれます。「ケシ」と名前についているけれど、ケシとは別系統のもの。葉はトゲトゲしているけれど、茹でればトゲはなくなり、生で、茹でて、痛めて、色々な調理に使われます。デトックス、利尿効果あり。
(右)Ortica オルティーカ
イラクサ。イラクサ科。ヨーロッパ原産。イタリアに生息しているのは「セイヨウイラクサ(ネトル)」で日本のイラクサとは別種。葉にトゲがあり、触るとアレルギーを起こす可能性があるので要注意。
春の青菜として茹でて食べられたり、パスタに、リゾットに色々な料理に使われます。乾燥さたハーブティーは花粉症や膀胱炎に効くと言われています。デトックス、利尿効果もあり。
(左)Aneto アネート
ディル。セリ科。地中海沿岸が原産。フェンネルの親戚。
「Anethon(アネトン)」というアニスを意味するギリシャ語が語源で、その名の通りアニスのようなスッキリした香りがします。ハーブとして料理に香り付けに使われます。
(中)Finocchio Selvatico フィノッキオ・セルヴァティコ
野生のフェンネル。セリ科。アネートとよく似ているけれど、葉の形状が違います。Finocchietto(フィノッキエット)と呼ばれています。アレルギー、消化促進、殺菌効果あり。
白い株が付くフェンネルの野生種。茹でてパスタやポルペッテにします。シチリア料理のイワシのパスタに欠かせない野草です。
(右)Cardella Servatica カルデッラ・セルヴァティカ
セイヨウタンポポのシチリアでの別名。タンポポは「Tarassaco(タラッサコ)」。キク科。ヨーロッパ原産。
シチリアでは春の野草として知られ、とてもたくさん生息しています。リウマチ、便秘、デトックス、利尿効果あり。若い葉は生でサラダに、茹でてパスタ、スープ、リゾットにしたり、トルタ・サラータにも使われます。
(左)Borragine ボッラージネ
ボリジ、和名はルリジサ。ムラサキ科。南ヨーロッパ原産。白い毛で全体が覆われていますが、触るとトゲのように刺さります。青い可憐なお花を咲かせます。
葉は花が咲く前の若いうちに収穫して茹でて食べます。パスタ、スープ、リゾットにすると美味。デトックス、利尿、発汗効果あり。春のデトックス野草としてシチリアでは人気です。
(中)Papavero dei campi パパヴェロ デイ カンピ
野生のケシ。ケシ科。4〜5月になると赤い花を咲かせます。Rosolaccio(ロゾラッチョ)、Rosoline(ロゾリーネ)とも呼ばれます。昔は食べている人もいたそうですが、現在はあまり食用としては使われていないそうです。食べるなら、茹でてスープに入れたり、付け合わせにしたり。痛みを緩和、咳をおさめる効果あり。
(右)senape selvatica セナペ・セルヴァティカ
ノハラガラシ。アブラナ科。地中海沿岸、北アフリカ原産。黄色い小さな花を咲かせます。カラシ菜のようにピリッと辛く、苦みのある春を代表する野草。秋と春に収穫され、シチリアでは葉野菜として茹でて色々な料理に使われています。デトックス、消炎効果があり、ビタミンA、K、Cが豊富に含まれます。また、亜鉛、セレン、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルも含まれていて、関節炎、骨粗鬆症、貧血、喘息、心臓の疾患に良いとされています。
(左)Crescione selvatico クレッショーネ・セルヴァティコ
クレソン、和名はコショウソウ。アブラナ科。一般的に販売されているものは水耕栽培のものが多いですが、シチリアでは水の多い地帯に野生のクレソンが自生しています。
生でサラダとして、ペーストにしてソースとしても使われます。
ビタミンA、B、C、Eを豊富に含み、なかでもビタミンCは特に多く含まれる。以前は壊血病の治療薬としてしようされていました。その他、カルシウム、鉄分、リンなどのミネラルも含まれ、風邪やインフルエンザの予防によいとされてます。
(中)Gira selvatica ジーラ・セルヴァティカ
野生のビエトラ。ジーラはシチリアの呼び方で、イタリア語はBietola(ビエトラ)。ヒユ科。地中海沿岸原産。野生種の他、シチリアでは紀元前から改良種が栽培されていたと言われています。
とても美味な野草であらゆる料理に使われます。野草ですが苦みは少なく、野草が苦手な人でも食べやすいです。血圧、血糖値を下げる野草とも言われています。
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以上、2月の農民市場の野草でした。
オジサン曰く、これは野草の中のほんの一部。
自然界にはもっとたくさんの「食べられる野草」が存在しています。
もう少し暖かくなって、新たな野草が登場したら、またご紹介しますね!
そして、野草料理のレシピもおいおい、、、。
どうぞお楽しみに!
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