【レシピ】3月19日は聖ジュゼッペの日〜聖ジュゼッペのスフィンチョーネ

3月19日は聖ジュセッペの日。

日本では「聖ヨセフ」の方がなじみがあるかもしれませんね。

キリスト教への信仰心が強いと言われる南イタリアでは、この日はとっても重要な日。何といってもキリストのお父さんの日ですから。

各地でお祭りが行われ、土地に根付いたお菓子も作られます。


聖ヨセフはどんな人?

聖ジュセッペはキリストの養父で大工をしていたと言われています。

聖人の本によると、聖ジュゼッペはこんなお方だったそうです。


大工さんの工房が描かれていて、足元にいるのは幼いころのイエスキリストでしょうか。

頭の後ろに光臨が描かれています。

現在も大工の守護神とされ、大工さんや木工職人の方の事務所には聖ジュゼッペの肖像画が飾られていたりします。

聖ジュゼッペは心優しく、とーっても働き者だったと言われていることから、労働者の守護神にもなっています。


聖ジュゼッペは揚げ物屋だった?

聖ジュゼッペの日に作られるお菓子はどれも「揚げ物」。

これは聖ジュゼッペが揚げ物屋だったことに由来するそうです。

新薬聖書によると、イエスがナザレで誕生した後、救世主誕生を恐れたヘロデ王による幼児大虐殺の命が出たため、父ジュゼッペと母マリアは、幼いイエスを連れてエジプトへと逃げたと言われています。逃げた先のエジプトでは生業である大工ではなく、揚げ物屋を営んでいたと我、それに因んで、聖ジュゼッペの日には揚げ物菓子を作るようになったと言われています。

ちなみに、「聖ジュゼッペの〜」と名が付くお菓子は下記の通り。

●シチリア州 → 聖ジュゼッペのスフィンチョーネ 

揚げたげんこつ大のシュー生地にリコッタがたっぷり(レシピあり)


●カンパーニャ州 → 聖ジュゼッペのゼッポレ

丸く揚げたシュー生地の真ん中にカスタードクリーム。


●ラツィオ州他、中部イタリア → 聖ジュゼッペのビニェ(フリッテッレ)

一口大の揚げドーナツ。クリームが入っているなどバリエーションあり。

やはり中部〜南部イタリア中心のお菓子が多いのが面白いですね。


イタリアは3月19日は父の日です

聖ジュゼッペがキリストの養父だったことから、イタリアで父の日は3月19日。

母の日は日本同様5月の第2日曜日なのですが、隙あらば聖人と結びつける!というところにイタリアがキリスト教と今でも密接に関わっていることを感じます。

父の日は日本同様、子供たちがお父さんに

「Auguri !!(アウグーリ!!=おめでとう!!)」

と、感謝を表す日です。

聖ジュゼッペの日に結びつけられたことで、子供たちから忘れられることも少ないはず。

ラッキーですね、イタリアのお父さんたちは(笑)

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イタリアにはキリスト教にちなんだお菓子がたくさんあります。

拙書、「イタリア菓子図鑑」では、郷土菓子と共に、キリスト教に由来するお菓子もたくさん掲載しています。

全107品、すべてにストーリーとレシピが付いています。

州別に並んでいますので、イタリア旅行気分も味わえます。

イタリア菓子にご興味のある方、是非ご覧くださいね。

イタリア菓子図鑑/佐藤礼子著(誠文堂新光社)

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今日は、私が住むシチリア州のトラーパニで作られる、リコッタたっぷりの巨大なお菓子をご紹介します!

リコッタは最近はデパ地下では必ずと言っていいくらい見かけます。

2022年の3月19日、聖ジュゼッペの日は土曜日。

皆さんも是非、この日のお菓子に挑戦してみてくださいね!


Sfincione di San Giuseppe 〜 聖ジュゼッペのスフィンチョーネ

<材料>

水     125g

バター  25g

塩    ひとつまみ

薄力粉  90g

ベーキングパウダー  5g → 薄力粉に加えて混ぜておく

全卵   2個 → 良く溶いておく

サラダオイル(揚げ油)  適量


リコッタ     100g 

グラニュー糖   20〜30g(お好みで調節)

オレンジピール(仕上げ用)  適量

粉糖(仕上げ用) 適量


<作り方>

①生地を作ります。鍋に水、バター、塩を入れて沸騰直前まで温めます。バターが溶けたら火からおろし、薄力粉とベーキングパウダーを一気に加えてヘラでかき混ぜます。良く混ざったら再び中火にかけます。ヘラでかき混ぜながら火を入れ、ひと塊になったら火からおろしボウルに移します。溶き卵を3回に分けて加え、その都度よくまぜ全体になじませます。

②サラダオイルを170度に熱し、つくった生地をスプーンですくって入れ、両面をこんがりと揚げ、油を切ります。小さく作りたい場合は小さなスプーンで、大きく作りたい場合は普通のスプーン、または大きめのスプーンを使います。

③リコッタクリームを作ります。リコッタを裏漉し、グラニュー糖を加えたらホイッパーで良く混ぜます。

④仕上げます。揚げた生地の片面にリコッタクリームをたっぷりと乗せ、オレンジピールをかざり、粉糖をふったら出来上がり。


<バリエーション>

リコッタにチョコチップ、刻んだオレンジピ―ルを入れても美味。



Almanacco〜イタリア歳時記

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