復活祭前の四旬節〜イタリアは現在節食期間中

イタリアでは、カーニバルが終わった翌日「Mercoledi delle ceneri(メルコレディ デッレ チェネリ)〜灰の水曜日」から復活祭の前日、聖土曜日までの期間を、「Quaresima(クワレジマ)〜四旬節」と言って、肉や甘いものを控え節食、そして祈りを捧げる期間となります。

●復活祭についてはこちらの記事をご覧ください。



●カーニバルについてはこちらの記事をご覧ください。


2022年の復活祭は4月17日ですので、現在、絶賛摂食期間中です!


なぜ節食するの?

四旬節は聖週間(復活祭前の1週間)を準備する期間です。

聖週間では、キリストのエルサレム入城からその受難と死までを思い出す日で、復活祭の日曜日に始まり、復活祭の前の日の聖土曜日までを指します。

聖週間が始まる前に、華やかな行事や食事を避けて、粛々とした毎日を送り自らを振り返る、身を清める期間

そのため、ごちそうであった肉や甘いものを食べずに、祈りを捧げる期間となりました。

「四旬」は「40日間」のこと。

なので四旬節は40日間続きますが、これは、キリストが荒れ野で40日間断食をした、ということに由来しています。

それにならって「40日の節食と節制期間」という習慣が生まれました。

キリスト教徒にとって「40」という数字は特別な意味を持つ数字なのです。


節食期間中に食べてもいいもの

それでは節食期間中はどんな食事が許されているのでしょうか?

良く「断食期間」とも言われますが、先ほどから書いているように断食ではなく「節食」です。

完全に食事を断って健康を害しては元も子もありませんので、満腹になるような豪華な食事は避ける、という期間です。

肉類、甘いもの、アルコールは避け、魚、野菜、豆を食べます。

節食期間、、、とはいえここはイタリア。

肉がなくたって、美味しいものを作るのは大の得意!

食べてもいい材料を使って工夫が凝らされた料理がイタリア全土にたくさんあります。

また、節食期間というルールを潜り抜け、一見地味に見えるけれど、実は豪華!みたいなギリギリな料理もあったりして。

お菓子も「Quaresima(クワレジマ)」とか「Quaresimali(クワレジマーリ)」と名の付くお菓子がたくさんあって、

え?お菓子食べちゃいけないんじゃないの?

と、当然思うかと思いますが、、、、どのお菓子にも動物性油脂は使われておらず。

「バター(動物性油脂)を使っていない質素なお菓子」

とか、そういう解釈でしょうか、、、いつの時代も知恵を使って規則の網を潜り抜ける輩がいるものですね(笑)

四旬節のレシピ色々は、また今度、、、。


現在の節食期間

四旬節について色々と書いてきましたが、、、現在は、お年寄りや敬虔なキリスト教徒以外は、普段と変わらない食事や日常を過ごしています。

私の身の回りもほとんどの人はキリスト教徒ですが、節食している人はほとんどおらず。

ただ、自分の好きな食べ物ものをなるべく控える、と言っていた人はいます。

我が家は普通に肉も、お菓子も食べています。

お年寄りの中には、

「今はお肉は食べないのよ」

とおっしゃる方も結構いますが、現在は肉よりも魚の方が高価になってしまった、という何とも言えない状況でもあり。

お金の問題ではないのかもしれませんが、なんとも皮肉です(笑)



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気が付けば四旬節も今週で終わり!

次の日曜日は復活祭前の「Domenica delle palme(ドメニカ デッレ パルメ)〜棕櫚の日曜日」。

この日から「Settimana Santa(セッティマーナ サンタ)〜聖週間」が始まり、いよいよ復活祭に向けてのラストスパートとなります!




Almanacco〜イタリア歳時記

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